【シューズレビュー】adidas ADIZERO EVO SL ファーストインプレッション (アディダスアディゼロエヴォエスエル)

2025年1月13日

adidas ADIZERO EVO SL
adidas ADIZERO EVO SL シューレースはADIZEROロゴ入りに交換しています

過去にシューズレビュー記事、ひとつしか書いておりませんが😅 珍しく最新シューズ adidas ADIZERO EVO SL を入手したのでファーストインプレッションとしてレビュー記事を書いてみたいと思います。

─ 2025年1月20日 追記 ─
6回の練習で約175km程使用しました。主にそれなりのペース・出力にて、ミドル走~ロング走の練習で使っています。まだインターバルや閾値走等、目標Mペース(マラソンレースペース)より速いレンジの強度が高い練習では使用していません。

ある程度走り込んでいっても、ファーストインプレッションと変わらず、非常に良いシューズの印象のままで、早くも2足目購入したくなってきています。

VDOT53.5 Eペース速め(上限4:51/km)から4:20/kmくらいのペース帯で、ミドル走~ロング走を行うのにはベストのシューズではないかと考えています。

クッション性が非常に高いのはTAKUMI SEN 8やADIOS PRO 2との比較で強く実感できます。

強いバウンシーな感覚はそのまま反発性の高さにも繋がっていますが、ADIOS PRO 2、他社ですがVaporfly Next%2などと異なるのは、カーボンプレート(アディダスは5本指カーボンバー=EnergyRods)が入っていないので、反発のベクトルが上方へ向かっている感覚が強いです。

ですので、自分の体幹で(骨盤とか股関節とか)でその反発を受け止めて、上方へのベクトルを前方へ、自らのカラダで制御して推進力へ変換するような意識で走ると非常にいい感じです。

もしかすると、このシューズをこの意識で走り込めば、カーボンプレートに頼らず超軽量高反発ミッドソールの性能を引き出す力が身に付いていき、結果カーボンプレート入りのレーシングシューズを履いたときの助力効果が高まるのでは?などと想像する部分もありますw

また、特にビルドアップしていくときなど、割と狙ったペース・出力にもっていきやすく、これはTAKUMI SEN 8に共通する部分なのかな?と。

そして意外な特徴は、上へポンポン大きく跳ねそうな印象の割に、上述の体幹で反発を制御する意識で走ると、ピッチが速めで安定する点。あまり練習で180spm近くのピッチを記録することが少ないワタシが、175spm以上を常時維持できるのは珍しいことです。

しかし、練習終盤で目標Mペース(レースペース)以上のペースレンジまで出力を上げようとするとちょっともたついてなかなか出力が上がらない感覚もあり、この辺は自分がカーボンプレートに頼らないと、余裕度が少なくなってきたときに、まだまだそういうレンジの走りまで持っていけない実力でしかないのかな?と考えさせられた部分もあります。

今後はインターバルや閾値走等で使ってみて、高出力時でもペースが維持しやすいのかどうかなども判断してみたいと思います。流しの感じだと、最初から速めに入って粘る分には問題なさそうな気がするんですけどね~。あと、Eペースより遅いレンジ(たとえばジョグなど)は向いていないわけではないですけど、あえて使う理由はないかな~、なにしろもったいないし(貧乏性ww)。

基本的に、やはりそれなりに出力が上がったり、負荷量の大きな練習、強度が高い練習で使うのが個人的には好ましいと考えます(ここま多く使ってきたビルドアップのミドル走やEペースより速いロング走など)。

この靴における現在の個人的な推奨ペース的に書いていますが、それは絶対的なペース数値ではなくて、各々の出力レンジのハナシに置き換えていただければと思います。

adidas ADIZERO EVO SL

あと懸案だった耐久性、アウトソールでLIGHTSTRIKE PRO剥き出しの部分は、踵部分のコーティングが剥げてきましたが現在致命傷には至っていません。前足部外側はまだ大丈夫です。

というわけで、ますます定価(ポイント11%還元)でも、購入してよかったなあというキモチが強くなっています。それになんといっても横から見るとカッコよすぎるんですよねww

adidas ADIZERO EVO SL
adidas ADIZERO EVO SL
どうしてもADIZEROロゴ入りのシューレースを付けたかったので、ADIOS PRO 2から外して使っていなかったヤツに換装

─ 結論 ─
超オススメ!素晴らしいシューズです!

重量・クッション性・反発力などシューズのスペックはかなり高い部類に入るでしょう!そして後述しますがそのスペックが後押ししてくれて速いペースで長く走れるシューズだと感じました!

定価で買うか、割引されるまで待つかは個々人の事情によると思いますが、定価で買っても基本的にあまり不満は出ないと思います(使い込んでいったらまた違った面が見えてくるとは思いますが、特に耐久性等は)。

─ 購入のきっかけ ─
元々、ミッドソールが全てライトストライクプロでエナジーロッズやトルションを使わないシューズを発売してほしいと思っておりました。なぜかというと、ライトストライクプロはナイキのズームXに比べると硬度が高く安定性があります、そしてクッション性もズームXのソフトな感じとはタッチが異なりますが充分に高いので、これはエナジーロッズやトルションなどの補助機構なしでシューズ作ったら面白いのではないかと考えていました。それに軽量性も十分なミッドソールフォームですしね。

過去に当ブログやX/Twitterなどでも何度かそういったことを書きましたし、アディダスジャパンに問い合わせする際にそのような内容を追伸したこともありましたww

その要望?要求?を満たすシューズがついにリリースされたわけです、買うのが『筋』!人としての正しい『道』でしょう!!www

いや、本当は在庫潤沢になって多少割引が入るようになってから購入しようと思っていたんです😅

ところが商品券を持っていた某大手スポーツチェーン店に商品券使って防寒用にカーフスリーブを買いに行ったところ、あるじゃないですか、しかもサイズ的に検討対象の26.5cm(US8.5)も27cm(US9)も…。

そして黒い金曜日週間だとかなんとかでポイントが10%還元中!

「あ、EVO SLを買って還元されたポイントでカーフスリーブを買えばよかばい」という思考に至るまで時間はさほどかからずwww

足入れした結果、最近のアディダスでマイサイズの26.5で問題なし、てか結構そのなかでも緩め・大きめじゃない?という感じでした。

もう良いのは想像できてるんで!(ドヤア)、踏みこんだり小走りしたりジャンプしたりは敢えてしませんでした!敢えてね!良いのは想像できてるんで!(ドヤア)。

─ 特徴 ─
正確なスペックなど細かいことは公式サイトの情報をご覧になってくださいw

adidas ADIZERO EVO SL 右足重量
adidas ADIZERO EVO SL 左足重量

重量は26.5cmで実測220g以下!アッパーが若干重くなっているとは思いますが、アディオスプロ3と変わらないくらい?

デザインに関しては、ぱっと見ADIZERO ADIOS PRO EVO 1なので、EVO1をカッコよく感じた人にとっては至高・珠玉のデザインでしょうw

adidas ADIZERO EVO SL DOGBONE
引用元:StepTube
adidas ADIZERO EVO SL DOGBONE
一走目後の洗濯中なので濡れていますw

個人的に気になった特徴は、DOGBONE(ドッグボーン)というナイロン製かな?のシャンクプレートが入ってることですかね。シャンクはビジネスや冠婚葬祭などで履くいわゆる革靴にも入っているパーツで、反発を高めるためのものではなく、基本的には土踏まず下の捻じれを抑制し安定感を増すたのパーツだと思われます。トルションも最初の頃(1990年頃)はそういう設計思想だったんじゃなかったかな?

アッパーは前足部やシュータンが薄目ですが(個人的にはあんまり気にしない、それなりの強度で軽くしてくれるなら軽い方がありがたい派)、パッドも厚めでヒール部分はしっかりとしてます、この辺はSL2に近いですね。

不安点は、軽量化のためか、ラバーが薄目で面積も少ない、レース用ではなくトレーニング用途として考えるとちょっと不安ですが、タクミセン8/9も似たようなもんかなあ…。ただ前足部の小指側のラバー無しはやはり少々不安。

─ 私見 インプレッション─
結論、なぜ素晴らしいかというのは、走った結果で語るのが一番と思うのでデータをみてください!w

11/17に長崎ベイサイドマラソンを走って、暖かすぎる気象コンディション・タフな起伏の難コース、故障復帰途上の練習量+コンディションという条件ありましたが、92分以上かかりました。

それが、かなり寒くなって走りやすかった、ハーフマラソン後の練習は上手くいっていた、フラットなコースで練習したという差はありますが、EVO SLで走るとこうなるんですよ!ww

ではつぎに感覚的な印象ですが、さすがにヴェイパーフライやアディオスプロを使ったことある人なら改めて衝撃を受けることはないかと思います。

しかし、素のライトストライクプロとはこういうモノなんだろうなという想像と期待に100%応えてくれる履き味には絶対にニヤリとせざるを得ないはずです(アディオスプロかタクミセンを履いたことがある前提ではありますが)。

なんでしょう「ウチは素材の味をまず楽しんでいただきたいので、まずは麵だけで食べてみてください!」→「おお!素材の味しますね!」的な?いや別にそういう店好きではないんですけど😅

アディオスプロ3で箱根駅伝1区を走り、現在はアディダスのエンドーサー(?)的ランニング系YouTuberでもある新田颯氏によると(StepTubeの動画だったかな?)、アディオスプロ4とジャパン(アディオス)9は硬度が下がってソフトになったとのことですが、EVO SLの硬度はアディオスプロ3と一緒なので、恐らく初代アディオスプロ~タクミセン10までのライトストライクの硬度と同じではないかと考えます(アディオスプロ2とタクミセン8でしか走っておりませんがw)。

だからエナジーロッズを抜いても、ほぼアディオスプロ3と同じミッドソールの厚さと硬度・密度がソールの剛性感をもたらしてイイし(ドッグボーンの寄与もあると思います)、クッション性と反発は実感としてかなりあるほうのシューズだと感じます。

ただ、やはりエナジーロッズがない純ライトストライクプロのミッドソールということで、安定性は低いのかな?と感じました。安定性はボストン12>タクミセン8>ジャパン8>SL2>アディオスプロ2>EVO SLとうような感じでしょうか?

上の記事のシェイクダウン走、新しいシューズでそこそこハイペースになる前提で走りましたが、せいぜい4:35/km前後くらいかなという想定だでした。ところがそれ以上のペースで安定しました。基本的にこういうタイムの練習できたときは練習用のナイキのヴェイパーフライシリーズを使っていることがほとんどなので(たまにアディオスプロ2かタクミセン8)、そのことからも高スペックなシューズであることが理解いただけるのではないかと。

走ってる感覚としては、クッション性を感じながら案外速いペースまで楽に持っていってくれる、助力だけ考えるとタクミセン8より上、400km走ってヘタってきたアディオスプロ2wよりも上かも?(そしてアディオスプロ2より自分に合っている、走りやすい)。アディオスプロ3は持っているんですが、まだ下ろしていません😅

マラソンなどレースで記録狙いに行くときであればフレッシュな状態のカーボンプレート(エナジーロッズ)入り+高反発素材シューズ一択だと考えますが、調整の一環でオールアウトしない前提ならこのシューズも十分アリなのではないかと感じました。

アッパーに関しては、負荷レベルの高い練習をこなしても問題なく、個人的には相性よくて足あたりがいい仕上がりです。

─ 私見 比較論 ─
アディダスの場合、頂点にあるのはEVO 1も含むアディオスプロシリーズで間違いないのですが、タクミセンシリーズと次点を争うレベルにあるのは間違いないと思います、あとは自分の走り方にフィットするのがどちらなのか?みたいな。ミッドソール素材由来の厚底レーシング感はEVO SL、癖が少なく自然なバランスなのはタクミセンかな?

じゃあ実売価格の近いボストン12はどうなのか?と。各社こういったシューズを出してますよね、ズームフライシリーズ、マジックスピードシリーズ等々、ハイエンドシューズからミッドソールフォームやプレート素材をダウングレードさせて『形』を似せたタイプのシューズ(アディオスプロ3↔ボストン12の関係性)。

最近のズームフライシリーズ(3までしか履いていません)やマジックスピードシリーズ(履いたことが無い)はわかりませんけど、ボストン12との比較なら圧倒的にEVO SLのほうが上です!なんならもう履いて踏み込んだ瞬間にわかるレベル。

ハッキリ言って、シューズの特性や長所を抜きにして語れば、ボストン12もジャパン8もSL2もどれだけライトストライクプロの素材感と性能をスポイルしているかが本当によくわかります!ライトストライクプロよりもライトストライク2.0の素材感のほうが伝わってくると感じます。だからといってシューズ特性の善し悪しを語って上下をつけたいわけではないんですが、ボストン12の場合は実売価格が近いために絶対比較されると思うんです。

少なくとも自分の走力・走り方であればボストン12より間違いなくEVO SLのほうが『気持ちよくれて、且つタイムも速く』なると思います。

─私見 推論 ─
ボストン12との比較で上述のように感じたので、もうこれボストン12をレースで使う層(アディオスプロを使うべきか否かで迷う層 ※他社の同グレードシューズも然り)はEVO SLのほうが良いのでは?と一瞬考えました。絶対ボストンよりEVO SLのほうがいいやん!となる人も多く居るであろうことと推測します。

しかし、基本的にプレート(エナジーロッズ)は上方への反発のベクトルを、前方への推進力に転換するものだと認識しています。

EVO SLはソール硬度・厚さ・ドロップやロッカー形状、ドッグボーン(シャンク)など調整に調整を重ねてあるとは思います。ただ上方への反発ベクトルを、前方への推進力に転換する助力はプレート(エナジーロッズ)搭載シューズに比べたらそこまではないかもしれません(だからこそソフトなクッション性が実現されている部分もあると考えます)。

もしかしたら、ある程度自力でプレートの役割を走り方で果たしてあげる必要があるかもしれません。上方への反発ベクトルは体幹周辺で押さえつけて、自分のカラダで前方への推進力を産み出す、みたいなイメージ。

上述のように安定性が高くない点もあるので、レースペースより抑えた長時間走でまず試してからのほうがいいのかもしれません(股関節や骨盤などに過度な疲労・ダメージが出ないかどうか)。

─ 現時点での不安・欠点 ─

adidas ADIZERO EVO SL
一走目直後のアウトソール

どれだけ荷重がかかっているかはわかりませんが、アウトソールにラバーが無い部分もしっかり接地していました。ズームXほど脆い素材ではないので、ある程度までいけるのはわかってはいますが、やはり前足部の小指側は少々不安ですね。

また、欠点は意外なところにありました。昨日天気が悪かった影響で水たまりが残っていたのですが、ダウンジョグ中暗くて足元が見えない道路でバッシャン💦 結構黒い泥水汚れが付いてしまったのですが、これが念入りに洗っても完全に取れない(SL2は同様の汚れも取れた)。汚れるのが嫌なら黒にしたほうがいいと思いますが、EVO 1っぽいのは白なんですよね…。

そしてシューズの欠点というわけではないですが、あまりにも良すぎてすべての練習で使いたくなるw 何足も買いたくなるww (タクミセン8もそういうところがありましたが)。いや~、やっぱり練習はここまで高スペックのシューズ以外のシューズでも履き分けて取り組んだほうが身に付く力は大きくなると思いますよ😅

adidas ADIZERO EVO SL インソール

あとインソール外せます。しかしカッコイイADIZEROロゴがわずか一走で(´・ω・)

─ その他 ─
EVO SLがここまでイイとなると、同じく全ライトストライクプロで、より薄くて軽いJAPAN (ADIOS) 9も気になってきますね~。 adidasのランニングアプリ、走ったらポイントが貯まって割引クーポンと交換できます。すでに30%割引クーポン発行できる状態なので公式サイトを見に行ってみたらSOLD OUTでしたwww

─ その他 ─
競合シューズで気になるのはナイキのペガサスプラスですね!愛してやまないペガサスターボシリーズ(※ネクストネイチャー除く)の正統後継モデル!

ただ、ペガサスターボ初代・2に準ずるスペックなら、EVO SLほど尖った性能まで追い込んでいないかも?という疑問もあります。そういう点では早く履いてみたいですが、そんなに定価販売前提で2万円レンジのシューズなんてバンバン買えんわ!w