【シューズレビュー】adidas adizero Takumi Sen 8 (アディダスアディゼロタクミセン8)

─ 概要 ─

タクミセン8
シューレースは先端チップにADIZEROロゴ入りのブラックに替えています

すでに後継モデルのタクミセン9(アッパー素材が変更され、僅かながら軽量化された)が発売されていますが、タクミセン8もまだ流通在庫があるようでセール価格で購入できます。うまくタイミングが合えば10,000円前後での購入も可能?!

アディダスのアディゼロシリーズの中でもエリートランナーが5km~10kmのロードレースや駅伝を走る際のシューズとして想定されたモデル。2021/2022シーズンは新谷仁美選手(積水化学)、林田洋翔選手(三菱重工)、イエゴン・ヴィンセント選手(東京国際大学)などが駅伝で履いていたと記憶しています。

重量は27cmで190g前後ですが、アディダスは個体差が結構ありモデルによっては10gくらい違うことも。ワタシが所有する個体も黒は左右ともにほぼ188gですが、後から買ったグレーは右188g/左195gでした。

─ 特徴 ─
タクミセン7までの『薄底レーシングフラット』から一転、ヒール:33mmと、アディオスプロシリーズと同様のライトストライクプロをミッドソールフォーム材としてフルに使用し『非薄底』化されました。

アディオスプロシリーズとの違いはミッドソールの厚さだけではなく、エナジーロッズにグラスファイバーが使用されています(アディオスプロシリーズはカーボン)。

踵のプレート

またアディオスプロ初代/2は踵にカーボンファイバープレートが入っていますが、タクミセン8もカーボン混合ナイロンプレートが入っています。エナジーロッズとは分離されています。アディオスプロ3からは一体型になったようですが、タクミセン10はどうなるんでしょうね?屈曲性も備えさせるならばこのタイプのままでいいような🤔

アウトソールは前足部内側にコンチネンタルラバーをやや厚めに、それ以外はライトウェイトテキスタイルラバーが薄めに貼られていますが、軽量化のためかミッドソールが剥き出しになった部分も多いです。

アッパーもスーパーライトメッシュ+セラーメッシュ2.0という薄い素材が使われており軽量化が図られています。

基本的に、耐久性を下げることになっても軽量化を優先したレーシングシューズなので、デイリートレーニング向けのシューズのような耐久性は望めません。

─ 私見 ─
結論から申し上げるとオススメの一足です。筆者のスペックはコチラでご確認いただきたいのですが、ワタシの走力であれば、インターバル走からマラソンまで使えます。

なぜマラソンに使えるのか、それは実際に練習で42.2km走って2023/3/1現在の最速タイムである3時間15分切りをマークしたからですw

その42.2km走は脚攣りや股関節痛などのトラブルも起きませんでしたし、最後まで『今これぐらいのペースで走りたい』という狙った出力を意図通りに出せましたし、想定よりも大きくオーバーペースになることはなかったです。

それに寄与したのはライトストライクプロのクッション性と反発性だと思われます。同じアディダスで言えばアディオスプロ2(39.5mm)と比較すると薄いのですが、33mmはそこら辺のデイリートレーナーと比べた場合十分に厚いです。『厚底カーボンレーシング』初期のナイキのヴェイパーフライ4%(34mm)とほとんど変わりません。

そしてなんといっても軽い。基本的に軽さは正義だと思う派なんですが、後半~終盤疲労で脚を回すことがツラくなってくるような状況でも、アディオスプロ2のようにシューズの重さも相まってツラくなるようなことはありませんでした。

つまり、実際にワタシが練習の42.2km走で3時間15分を切れたからオススメしているのです!としか言いようがありませんけどw その前後のタイムを狙うならば勝負シューズとして使うのは大いにアリだと思います。

これは本当に主観なのですが、寒い日はミッドソールが少々固く感じることもありました。温暖な日はそういうことはありません、NikeのZoomXほどではありませんが、クッション性が高い部類に入るシューズだと思います。ただZoomXのようなフワフワ・ギュムギュム感というよりも密度の詰まった感じで、軽いけどモチモチ・ギュムギュム・ポンポン(語彙力)するような(?)。ただしアディオスプロ2には厚さの分だけクッション性は劣ります、反発性も劣ります(これはエナジーロッズがカーボンかナイロンかの違いもあるかと思いますが)。ピッチを上げたいならタクミセン8、ストライドを伸ばしたいならアディオスプロ2という個人的な認識です(某A社のEDGEとSKYみたいなw)。

また安定性も高いと思います。Nike ズームフライ3のようなトレーニング用シューズも含めて、『厚底』且つ『前足部に厚みがある』シューズだと、路面のギャップで足首を不注意にグニャっとやりそうになることがあるんですが、タクミセン8は今のところそういったヒヤリとするシチュエーションとは無縁です。

それと、狙ったペースで走りやすかったと上述していますが、これはマラソンよりも速いペースのインターバルでも同様で、意図した出力よりも極端に速くなることはなく、自分が走りたいペースでしっかり走れます。アディオスプロやヴェイパーフライと異なり助力感が少ないように思える走行感覚が寄与しているのではないかと思います。

残念なことに未だ雨天時の練習では使っていないので、滑りやすい路面でのグリップ性能は未確認です。全部じゃないにしろコンチネンタルラバーを使用しているので強いとは思うのですが。

踵のダメージ
このあとセルフリペアしました

欠点は、踵にも荷重がかかり擦ってしまうような走り方だと、ミッドソールが剥き出しになっている部分のダメージが早く進行しますし、アウトソールの接着が剥げたりするかもしれません(ワタシの個体は右が剥げました)。

アッパーに関してはシュータンのフィットがきつくて、全体的にも固いので、最初はハーフサイズUPすべきかと思ったのですが、馴染んでくるので問題ありません。

最近のアディダスであれば、アディゼロプロとアディオスプロ2は27cmを履いていますが、タクミセン8も27cmで問題ありません。ボストン3、ジャパン3,プライムパーレイ、ジャパン5、ベコジ2などは27.5cmを履いていました(一部27cmだとあからさまにキツいモデルもありました)。どちらかといえば近年のアディダスの同サイズだと以前よりも緩めに感じるフィットに準じたモデルだと思われます。

─ 結論・まとめ ─
使用されているミッドソールフォーム材とエナジーロッズ/プレート使用から『スーパーシューズ』若しくはそれに準じた部類に入るシューズだと思いますが、現在実売価格が低い、田舎の大型スポーツ店でも売ってあったりするのでw 購入のハードルが低いシューズです。

また上述した通り、フルマラソンで使用しても問題ありません(`・ω・´) ※個人の感想ですw

アウトソールやアッパーの耐久性が高くないとは思われますが、実売価格を考えたら、レースだけに限定せずポイント練習でも使える範囲だと思います。

是非、市場在庫が安く流通しているうちにGETして試してみてください!

猫さんと一緒に